上野で生まれた赤ちゃんパンダの話題が
ニュースなどで報道される度に思う事がある
” 赤ちゃんパンダってそんなに珍しい? ”
確かに日本でパンダが見られる動物園は3件
東京の上野動物園と神戸の王子動物園
そして和歌山のアドベンチャーワールド
個体の保有数で言えば、上野動物園が
今回の赤ちゃんパンダを含め現在で3頭
神戸の王子動物園が1頭
アドベンチャーワールドが5頭の全国で9頭
しかも、和歌山アドベンチャーワールドは
今年の6月に国内繁殖した3頭を中国に返還
※海浜、陽浜、優浜の3頭を中国四川省へ
頭数を目減りさせても和歌山が保有数No.1
他の激レアな種類の生体などに比べると
まあまあな頭数がいる動物さんなのである。
前回は生後6日で死亡してしまい
5年ぶりに赤ちゃんが生まれたから話題!?
これに関してもアドベンチャーワールドは
1994年の飼育開始から2000年、2001年
2003年、2005年、2006年、2008年
2010年、2012年、2014年、2016年と
コンスタントに繁殖に成功されていますが
上野動物園のような扱い方はされておらず
出産日にニュースが報道されるぐらいで
生後何日で何g増えただの、何喰っただの
全くと言っていいほど報道されはしない。
この中国のパンダ外交システムによって
諸外国に貸出しされているパンダの中でも
アドベンチャーワールドでの繁殖実績は
中国本土を除けば世界一のはずなのに…
そんな偉業さえもクローズアップされない
上野で赤ちゃんパンダが生まれた事による
経済効果は267億円、来場者数200万人増
関東で見れるのが上野動物園だけだから?
もはや地域格差だけで片付けられる話では
ないケタの数字が並んでいる(笑
上野動物園、正式名称は恩賜上野動物園
1882年に博物館の付属施設として開園し
日本で最も古くから存在する動物園であり
日本の首都である東京に位置する動物園
1972年 日中国交正常化のシンボルとして
ランランとカンカンという2頭のパンダが
日本に贈られた際に選ばれた老舗動物園
日本が高度経済成長期に沸いていた時代
戦後日本の平和と繁栄の象徴として
” 日本に最初にやってきた上野のパンダ ”
日本国民の脳裏に刷り込まれたこの印象
社会現象にまでなったという事も頷ける
そう考えると上野動物園のパンダは別格
歴史的背景によるブランド力の差
宿命的に今も引き継いでいる印象の差は
繁殖実績や保有数といったものだけでは
到底埋まらないのかも知れないですね。
ちなみに、国内のジャイアントパンダは
全て中国からのレンタル扱いなのですが
日本の飼育下で子供ちゃんが生まれても
性成熟する4歳ぐらいまでには基本的に
中国に返還されるシステムになっている。
レンタル料(ペア)は年間で約8000万
10年契約となるので合計8億円程となる。
貸与名目としては繁殖の為の研究目的
「野生動物保護事業への支援」として
中国の成都大熊猫繁育研究基地保有で
中国野生動物保護協会に支払われる形だ
今回のように国内繁殖した赤ちゃんにも
このシステムのレンタル料金は適用され
年間で約7000万が請求される。
尚、自然死以外で死亡してしまった場合は
損害金として約4000万が発生するらしい。
個人的には” いらんわそんなもん!! ” だが
経済効果267億円と聞くと安く思える(笑
しかし…
この中国のパンダ有料レンタルビジネス
なかなかのボロイ商売だとは思いますが
既に2016年の段階でパンダの格付けが
世界自然保護基金(WWF)の発表により
絶滅危惧種から危急種に引き下げらた事で
研究目的を名目にレンタルし続けるには
少しばかり無理があるような気がします。
ま、
そんな事に動じる国ではないでしょうがね