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この街で生きる小さな命を、未来へつなぐために。

この街で生きる小さな命を、未来へつなぐために。

地域猫たちの今 … 知られざる命の現実

街角や公園、駐車場の隅。私たちの暮らす街には、ひっそりと生きる「地域猫」と呼ばれる野良猫たちがいます。彼らは誰かのペットではなく、けれど誰かの優しさによって命をつないでいます。

かつて野良猫は「自然淘汰」によってその数を減らしていました。しかし今は、地域の人々の餌やりや治療のおかげで生存率が上がり、繁殖を繰り返しながら増え続けています。殺処分ゼロの意識が広まり、単に駆除する時代は終わりましたが、それは同時に、「増え続ける命」をどう支えるかという新たな課題を生んでいます。

繁殖の連鎖を止めずにいると、猫たちは増えすぎた環境で過酷な生存競争を強いられ、病気や飢えに苦しむことになります。さらに、トイレ問題やゴミ荒らしといったトラブルが地域社会との対立を生み、猫たちの居場所がますます狭くなってしまうのです。

今ある命を守りながら、これ以上不幸な猫を増やさないために──。
私たちにできる最善の方法が TNR(捕獲・不妊手術・元の場所へ戻す) です。手術を施すことで、猫たちは穏やかに暮らせる環境を手に入れ、人との共存もスムーズになります。地域の理解を得ながら、猫も人も安心して暮らせる街へ。TNRは「猫に優しい社会」をつくる第一歩なのです。

見かけたその猫の未来を、あなたの手で変えませんか?

TNR先行型地域猫活動は、野良猫の数を減らし、不幸な命を生み出さないようにするための重要な取り組みです。この活動は、地域に住む野良猫に不妊去勢手術(TNR: Trap-Neuter-Return)を施し、元の場所に戻して見守ることで、地域と猫が共生できる環境を作ることを目指しています。

野良猫問題の背景

野良猫の多くは、元々人間に飼われていた猫が捨てられたり、迷子になったりした結果、その子孫が外で暮らしている状態です。しかし、外での生活は決して楽ではなく、餓え、寒さや暑さ、病気、事故、虐待などのリスクに晒されています。また、繁殖力が非常に高いため、放置すれば短期間で数が増え、糞尿被害や鳴き声などで住民との対立が起こりやすくなります。

TNR活動の効果

不妊去勢手術を受けた猫は以下のような変化を見せます:

  • オス猫のマーキングやケンカが減り、行動が落ち着く。
  • 繁殖期の大きな鳴き声がなくなる。
  • 猫の行動範囲が狭まり、地域の秩序が保たれる。

これにより、猫の数を適正に保ちながら、住民との摩擦を減らし、共存の道を開きます。

地域猫活動と課題

地域猫活動は、TNRの延長線上で、手術後の猫のコミュニティを地域住民全体で見守り、管理していく取り組みです。しかし、活動にはいくつかの課題があります:

  1. 住民の理解不足:猫を守るための活動が誤解され、「無責任な餌やり」と同一視されることがあります。
  2. 人的リソースの不足:猫を捕獲し、手術を行い、地域をフォローアップするには多くの時間と労力が必要です。
  3. 地域ごとの対応の難しさ:猫に対する住民の意識や問題の深刻度は地域によって異なります。そのため、一律の対応が難しいのが現状です。

理解を深めるためのアプローチ

  • 住民の声を聞く:地域の問題を丁寧にヒアリングし、猫に対する怒りや不満の背景を知る。
  • 情報の共有:説明会や回覧板などを活用し、活動の目的や重要性を住民に伝える。
  • 住民を巻き込む:町会や自治会、地元企業と連携し、地域全体で取り組む体制を整える。

TNR(ティーエヌアール)とは

TNRは、Trap(つかまえて)Neuter(不妊手術をして)、**Return(元の場所に戻す)**の頭文字を取った、野良猫問題を人道的に解決するための取り組みです。それぞれのステップについて詳しくご紹介します。

1. Trap:つかまえる

野良猫を保護する際には、人と猫の安全を守るために捕獲器を使用します。
定期的に決まった時間や場所で餌を与えて猫を慣らした後、捕獲器を設置して保護します。捕まえた猫が安心できるように、捕獲器を布や毛布で包むとよいでしょう。近隣の方で捕獲器が足りない場合は、当社へご相談ください。

2. Neuter:不妊手術をする

不妊手術を行うことで、これ以上不幸な命を増やさないようにします。
また、手術済みの猫であることを示すため、耳先をV字カットする「耳カット」を施します。この印により、同じ猫が再び捕獲されて手術されることを防ぎます。耳カットは全身麻酔の手術中に行うため、猫への痛みはありません。耳先が桜の花びらのような形になることから、手術を受けた猫は「さくらねこ」と呼ばれています。

3. Return:元の場所に戻す

猫には縄張りがあります。手術を終えた猫を元の縄張りに戻すことで、新しい猫がその場所に入るのを防ぎ、猫の数を適切に管理できます。また、野良猫として暮らしてきた猫を無理に保護することは、ストレスや病気の原因になることもあります。成猫として生きていける力を持つ猫は元の場所に戻し、地域で適切に見守りながら餌を与えることが、繁殖を長期的に抑制する鍵となります。

TNRは、猫たちの命を尊重しながら地域との共生を目指す、大切な活動です。

なぜTNR活動が必要なのか?

猫は生後5か月を過ぎると繁殖可能となり、年に2~3回出産を繰り返します。一度の出産で3~6頭の子猫を産み、その子猫たちも成長するとさらに繁殖を重ねていきます。1頭のメス猫から1年間に20~30頭近くの命が増えることもあり、そのまま放置すれば、猫の数は急速に増加してしまいます。

近年、餌やりをする方々が猫を世話し、治療を受けさせる機会が増えたことで、自然淘汰で亡くなる猫が減少しています。また、殺処分ゼロを目指す活動が活発化し、野良猫を引き取り処分するケースも減りました。その結果、今生まれてくる命が助かる可能性が高まりました。

しかし、この「助かる命」が増える一方で、猫たちが増え続けることは、人間社会との軋轢を生みかねません。猫が安心して一生を全うするためには、人間と共存できる環境を整える必要があります。そのためには、不妊・去勢手術を行い、これ以上野良猫の数が増えないようにすることが不可欠です。

さらに、地域で猫が迷惑だと感じられないように、トイレの管理や餌やりのルール作り、地域住民同士のコミュニケーションを通じて、猫に関するトラブルを減らしていくことも大切です。小さな行動でも構いません。私たちができることを少しずつ実践することで、猫たちが人間社会の中で安心して暮らせる環境が整います。

TNR活動は、猫たちの命を守りながら、人間との共存を実現するための大切な第一歩なのです。

「この街で生きる小さな命を、未来へつなぐために。」

猫たちは、自ら生まれる場所を選べません。
けれど、人の優しさがあれば、その命は守られます。

TNR活動は、「増えすぎる不幸」を防ぎ、「生まれた命」を大切にする取り組み。
今いる猫たちが、安心して生きていける環境をつくることが、
人と猫が共に幸せに暮らせる街への第一歩です。

たった一匹の手術が、救える未来を増やします。
小さな行動が、大きな優しさに。
あなたの手で、猫たちの未来を守りませんか?

堺市「さくらねこ無料不妊手術チケット交付事業」について

堺市では、地域の野良猫(飼い主のいない猫)の適正管理を推進し、猫たちの繁殖を抑えることで、地域との共生を目指すために 「さくらねこ無料不妊手術チケット交付事業」 を実施しています。

この事業は、TNR活動(Trap=捕獲・Neuter=不妊手術・Return=元の場所に戻す)を支援するためのものです。対象となる猫に対して 無料で不妊・去勢手術を受けられるチケット を交付し、手術済みの証として 耳先を桜の花びらの形にカット(さくら耳) します。

なぜTNRが必要なの?

猫は1年に2~3回の繁殖を繰り返し、1匹のメス猫から1年で20~30匹にも増えると言われています。増え続ける猫たちを放置すると、食べ物の確保が難しくなったり、病気が広がったりするだけでなく、糞尿被害や鳴き声による近隣トラブルが発生し、猫たちが厳しい環境に追いやられることになります。

TNRを行い、不妊手術を受けた猫を適切に管理することで、繁殖を抑え、猫と地域の人々が安心して暮らせる環境をつくることができます。

チケットの対象と申請方法

・堺市内で 飼い主のいない猫(野良猫・地域猫) を対象に、不妊手術を希望する方が申請できます。
・手術を受けた猫は、元いた場所に戻し、地域で見守ることが前提となります。
・申請方法や詳細な条件については、堺市の公式サイトまたは担当窓口でご確認ください。

さくらねこが広がる未来へ

「増える命を守る」ために、不妊手術は 最も優しく、確実な方法 です。さくら耳の猫たちは、その地域で見守られている証。あなたの行動が、猫たちの未来を変えます。堺市の「さくらねこ無料不妊手術チケット」を活用し、TNR活動へのご協力をお願いいたします。

詳しくは、堺市の公式ホームページをご確認ください。

ここまで読んでくれたあなたの心には、きっと 「何かしたい」 という優しさが芽生えているのではないでしょうか。

野良猫たちは、声を上げることができません。
でも、あなたのように気づいてくれる人がいることで、救われる命があります。
あなたの優しさが、未来の不幸を減らし、ひとつの命を守ることにつながります。

TNRは、 「愛のかたち」 です。
生まれてから苦しむ命を減らし、今いる猫たちが穏やかに生きられる環境をつくること。
それは決して大きなことではなく、小さな行動の積み重ねで実現できます。

どうか、あなたのその想いを大切にしてください。
もし「何かできることはないかな?」と思ったら、ほんの少しだけでも行動に移してみてください。
それだけで、猫たちの未来はきっと変わります。

「あなたの優しさが、ひとつの命を救う。」
そんなあたたかい世界を、一緒につくっていきませんか?

ありがとうございました。

GSA-JAPAN