“カッコウ”
一度ぐらいは聞いた事がある名前だと思いますが
体長は約30cm前後になる鳥で、ユーラシア大陸や
アフリカに生息、日本には夏鳥として5月頃に飛来します。
このカッコウという鳥は、自分の卵を他の鳥に預け抱卵
子育てを仮親に托す“托卵(たくらん)”行為をします。
托卵する相手の鳥は自分よりも身体の小さなウグイスや
オオヨシキリ、ホオジロ、モズなどの巣に托卵しますが
近年では温暖化の影響や互いの生息環境の変化などから
オナガなどの他の鳥にも托卵する傾向が増えています。
卵から孵ったカッコウのヒナはウグイスやオナガの卵を
巣から捨て、自分だけを仮の親から育ててもらうという
“親が親なら子も子”という“ドあつかましさ”
しかし、我が子を仮親に預ける“托卵”という行為は
単純に無責任なものではなく、低体温という自身では
卵を温められない体温の低さに理由があるそうです。
※体温変動の少ない他種に抱卵させたほうが繁殖に有利
自身の卵を他の鳥の体温で温めてもらい
自分の子どもを守ってもらう方法を考えついたカッコウ
我が子の好む昆虫食の相手を探し
托卵を覚られないようにするために、卵の色や斑紋までも
仮親の卵に似せ、仮親の卵を巣から捨てて数合わせをし
仮親の卵とぶつかって割れぬよう固い殻で卵を産みます。
我が子を預けざるをえなかったカッコウ
動物たちの生きる知恵、生き残るための選択
勿論、托卵される側の鳥達も、カッコウが巣に近づいたら
猛烈に攻撃したり、カッコウが自分の巣に卵を産んだら
自分の卵と区別してカッコウの卵を放り出してしまうとか
対抗手段は持っているのでご安心を…。
托卵する側とされる側が互いの生存をかけての進化競争
生存競争に勝ち残るために進化をし続ける動物たち。