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STOP!動物取扱業の「無登録営業」

知らずにやってしまっているかも…
第一種動物取扱業の「無登録営業」。

動物の販売や訓練など、動物を扱う行為の中にはきちんと登録せずに行うと「無登録営業」をしているということになり違法となってしまう行為がいくつかあります。
知らず知らずのうちにやってしまっているかも…という例を具体的にご紹介します。

そもそも第一種動物取扱業とは?

動物の販売や訓練、貸出しなどを営利目的で行う場合、
動物愛護管理法(動物の愛護及び管理に関する法律)で以下のように定められています。

第十条 動物(哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するものに限り、畜産農業に係るもの及び試験研究用又は生物学的製剤の製造の用その他政令で定める用途に供するために飼養し、又は保管しているものを除く。以下この節から第4節までにおいて同じ。)の取扱業(動物の販売(その取次ぎ又は代理を含む。次項及び第21条の4において同じ。)、保管、貸出し、訓練、展示(動物との触れ合いの機会の提供を含む。第22条の5を除き、以下同じ。)その他政令で定める取扱いを業として行うことをいう。以下この節、第37条の2第2項第1号及び第46条第1号において「第一種動物取扱業」という。)を営もうとする者は、当該業を営もうとする事業所の所在地を管轄する都道府県知事(地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の19第1項の指定都市(以下「指定都市」という。)にあつては、その長とする。以下この節から第5節まで(第25条第7項を除く。)において同じ。)の登録を受けなければならない。

動物の愛護及び管理に関する法律 第十条

要約すると動物の「 販売 」「 保管 」「 貸出し 」「 訓練 」「 展示 」「競りあっせん」「譲受飼養」を
業として行う場合、第一種動物取扱業の登録が必要ということです。

もし、第一種動物取扱業者として登録せずに営業し、何らかの対価(金品以外も含む)を得ると、
動物愛護管理法(動物の愛護及び管理に関する法律)違反として100万円以下の罰金に処せられる可能性があります。(動物愛護管理法第四十六条)
※ここでの動物とは実験動物・産業動物を除く哺乳類・鳥類・爬虫類を指します。

「無登録営業」にあたる具体的な例

では具体的にどのような行為が動物取扱業の「無登録営業」にあたり違法になる可能性があるのか例をあげてみましょう。

・自宅で子犬が生まれ、子犬をSNS等で売る。
   →「販売」にあたり違法になる可能性がある。

・猫を欲しがっている友人に知り合いの猫のブリーダーを紹介して紹介料を受け取る。
   →直接ではなくても取次ぎをしたことにより「販売」にあたり違法になる可能性がある。
    友人・ブリーダーどちらから紹介料をもらっても違法になる可能性がある。

・自宅で生まれたハムスターをペットショップに引き取ってもらい代わりにエサなどをもらう。
   →金銭でなくても「販売」にあたり違法になる可能性がある。

・旅行に行く家のペットを預かって世話をし、謝礼を受け取る。   
   →「保管」にあたり違法に可能性がある。
   ※受け取る金額がエサ代などの実費のみの場合は除く。

・忙しい飼い主の代わりに犬を散歩に連れていき、謝礼を受け取る。
   →「保管」にあたり違法に可能性がある。

・知り合いの犬を預かりシャンプーや爪切りなどをしてあげて、謝礼を受け取る。
   →「保管」にあたり違法に可能性がある。

・知り合いの犬にしつけをしてお礼に金品を受け取る。
   →「訓練」にあたり違法になる可能性がある。

・子犬が欲しいというメス犬を飼っている家に飼っているオス犬を貸してあげて、謝礼を受け取る。
   →「貸出し」にあたり違法になる可能性がある。
    金品以外に「生まれた子犬を一頭もらう」なども違法になる可能性がある。

・飼っているペットをテレビ局に依頼され出演させ、出演料などを受け取る。
   →「貸出し」にあたり違法になる可能性がある。
    ペットモデル事務所などに登録して出演し、出演料を受け取るのも違法になる可能性がある。

・飼育している珍しいペットを人に触らせてあげたり一緒に写真撮影させて、謝礼を受け取る。
   →「展示」にあたり違法になる可能性がある。

・店内に動物を置き、看板ペットなどとして集客している。
   →「展示」にあたり違法になる可能性がある。
    見物料や入場料などを取らず動物を無料で見ることができる場合でも
    動物により集客し利益を得ていると判断され違法になる可能性がある。

関わった動物取扱業者も違法に

違反にあたる、もしくは違反する恐れがあることを知りながら一般の飼い主から動物の買取やテレビ撮影用の動物の借受などをおこない対価や謝礼を支払った動物取扱業者も違法となる場合があります。

動物の仕入れ、販売等の動物の取引を行うに当たっては、あらかじめ、当該取引の相手方が動物の取引に関する関係法令に違反していないこと及び違反するおそれがないことを聴取し、違反が確認された場合にあっては、当該取引の相手方と動物の取引を行わないこと。

第一種動物取扱業者及び第二種動物取扱業者が取り扱う動物の管理の方法等の基準を定める省令

最後に

このように違法になる可能性のある行為をあげましたが実際に違法になるかどうかは、営利性、社会性、頻度・取扱量などに基づき個別に判断されるため違法とならない場合もあり、営利性や社会性の判断基準、頻度・取扱量の明確な数字などあいまいな部分を利用し、違法とわかっていてもやる人がいるのが現状です。
きちんと法律を守る人が損をする…それでいいのでしょうか?

さらに法律自体の改正がどんどんされてはいますが時代に追いついていない部分も出てきています。
近年、増加中の動物メインの動画で生計をたてているyoutuberなどは、ひと昔前なら規制がなくてもおかしくありませんが、明らかに一般の家庭のペットの域を超え、収益の為に飼育しているといっても過言ではないyoutuberも見受けられます。
収益関係なく、純粋に飼っているぺットの良さを多くの人に広めたい人との線引きなど実際に法で規制するのは難しいでしょうが規制なしの無法地帯のままでいいのでしょうか?

(出典:動物の愛護及び管理に関する法律)
(出典:さいたま市動物愛護ふれあいセンター
   「動物取扱業の無登録営業にご注意!~飼い主さん、知らずに違法行為をしていませんか?~」)