近年、耳にする機会が増えている「エンリッチメント」
その中で動物たちの採食に注目した「採食エンリッチメント」の一環として
私たちが動物たちに与えている食材「和クルミ」をご紹介。
エンリッチメントとは?
動物の立場に立ち、人間が動物に対して与える痛み・苦痛などを最小限に抑え、動物たちが自然に行動できる幸せな環境を提供しようという動物福祉の考え方に基づき、野生に比べて単調で刺激の少ない環境で過ごす飼育動物たちが野生下では普通にみられる行動を行えなかったり、逆に常同行動などの望ましくない行動をとるなどの問題を改善し、飼育動物たちが心身共に豊かに暮らせるようにするために飼育環境を整え、改善していくこと。
近年では様々な動物園・動物飼育施設がエンリッチメントに取り組み、一般家庭向けにもペット用のエンリッチメントアイテムが販売されるなど動物飼育に欠かせない取り組みとなりつつあります。
「和クルミ」と「採食エンリッチメント」
採食エンリッチメントとは?
エンリッチメントのなかで特に動物たちの採食に注目し、その動物が本来持つ採食行動を引き出したり、飼育下で短くなりがちな採食時間を延ばしたりするためにエサの与え方や種類を工夫する取り組み。
具体的にはライオンなどの肉食獣に毛や骨などがついたままの肉を与え、捕らえた獲物を食べるときの行動を引き出す屠体給餌やあえて取り出しにくい、取り出すのに時間がかかるエサ入れにエサを入れるなどの取り組みがあります。
和クルミはオニグルミとも呼ばれ日本の山で自生している種類のクルミで一般的に製菓材料などで使われるクルミ(カシクルミ)に比べ小ぶりで殻が硬く、和クルミの殻を割るための専用の割り器があるほど。老化やがんの予防・血流改善・皮膚や粘膜の健康維持に効果があるとされる、オメガ3脂肪酸やビタミンB群・ポリフェノールを含み、栄養価が高く縄文時代の遺跡からも殻が出土しているほど古くから食用として利用されている。
和クルミを殻つきのまま動物たちに与えることで硬い殻はなかなか割れず、やっと割れた後も一般的なクルミより小ぶりで殻の中が入り組んだ形になっている為、少しずつ爪や覇・嘴で取り出して食べるしかないので採食にかかる時間を延ばすことができます。
ちなみに食べ終わった後の殻は齧って遊べるおもちゃになり、ストレス解消や歯や嘴の伸びすぎ防止にも役立ちます。
自分で割れない場合は?
人間でも割るのに専用の道具を使うほど硬い和クルミは自分で殻を割れない動物も多く、そんな時は軽くひびを入れてあげたり半分に殻を割ってからあげると良いでしょう。先ほども言った通り和クルミの殻の中は入り組んでいて簡単には取り出せないので採食時間の延長には十分効果を発揮します。
最後に
健康に良い成分を含み、エンリッチメントに役立ち、最後にはおもちゃにもなる和クルミですが食べすぎは肥満の元となり、無理をして殻を齧ると逆に歯や嘴に悪影響を与えることがあるので与える量や頻度を調整し、食べているときの様子をよく見てあげるようにすると安心ですね。
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今後も続々と新商品を追加予定ですのでお楽しみに♪