2. 災害救助犬の育成と訓練

災害救助犬になるためには、厳しい訓練と試験をクリアする必要があります。
しかし、特定の犬種のみがなれるわけではなく、性格や適性を重視して選ばれます。

① 適性のある犬の特徴

災害救助犬に適しているのは、次のような特徴を持つ犬です。

• 好奇心旺盛で人懐っこい（人と協力することを楽しめる）
• 運動能力が高く、持久力がある（長時間の捜索活動に耐えられる）
• 集中力があり、パニックになりにくい（瓦礫の中でも冷静に行動できる）
• 吠えて知らせることができる（発見時に救助隊へ伝えられる）

特にラブラドール・レトリバーやゴールデン・レトリバー、ジャーマン・シェパードなどが多く採用されていますが、ミックス犬でも適性があれば活躍できます。

② 訓練の流れ

災害救助犬の訓練は、基本的に次の3つの段階を踏みます。

1. 服従訓練

まず、犬が指示を正しく理解し、人と協力することを学ぶために服従訓練を行います。
「座れ」「伏せ」「待て」などの基本的なコマンドを正確にこなせるようにすることが重要です。

2. 捜索訓練

次に、実際の災害現場を想定した訓練を行います。
がれきの中や、暗闇、高低差のある場所などで人を探す練習を繰り返し、においの判別能力や行動力を鍛えます。

3. 実践トレーニング

最後に、実際の災害現場に近い環境での捜索テストを行い、本番さながらの状況で適切に動けるかをチェックします。
この段階で合格すると、正式な災害救助犬として活動できるようになります。