
ペットを迎える前に考えてほしい。 「家族」としての責任、本当に果たせますか?
ペットを手放す理由の1位「アレルギー」――無責任な飼育放棄の現実
私たちは動物プロダクション業を母体として活動してきましたが、ボランティアの一環として、十数年にわたり飼えなくなったペットの引き取りを行ってきました。
その中で目の当たりにしてきたのは、「簡単にペットを手放してしまう飼い主の無責任さ」 です。
ペットの飼育放棄にはさまざまな理由がありますが、最も多いのが「家族や自身のアレルギーの発覚」。次に「引っ越しや転勤」、そして「離婚や出産」と続きます。しかし、特に深刻なのは、アレルギーを理由に動物を簡単に捨ててしまう人が多すぎるという現実です。
アレルギーだから「仕方ない」? その前にできることはないか
動物アレルギーは確かに深刻な問題です。重度のアレルギーで、医師からペットとの生活を禁じられるケースもあります。しかし、私たちがこれまで引き取ってきたペットの多くは、飼い主が十分な対策を講じる前に「もう無理」と判断されてしまったケースでした。
「子どもがくしゃみをするようになったから、すぐに引き取ってほしい」 「アレルギー検査で反応が出たので、飼えません」 「掃除が大変で、アレルギーも気になるので手放します」
こうした相談を受けるたびに思うのです。
本当にペットと暮らす努力をしましたか?
空気清浄機の設置、こまめな掃除、ペット専用のアレルギー対策フードやケア製品の活用、獣医やアレルギー専門医との相談……試すべき手段をすべて試しましたか?
私自身も極度の猫アレルギーを持っています。そのため、抗アレルギー薬を毎日服用しながら、できる限りの対策を取り、猫たちと共に暮らし続けています。アレルギーがあるからといって、必ずしもペットと別れなければならないわけではありません。
「引き取ってもらえるから安心」――その甘えが生む現実
かつて、私たちは「ペットの命を救いたい」という想いから、無償での引き取りを行っていました。しかし、持ち込まれる動物があまりにも多く、施設のキャパシティはすぐに限界を迎えました。「新しい里親が見つかる前に、次々と持ち込みが続く」 という状況が続き、施設運営は困難になりました。
このため、現在は有料での引き取りに切り替えています。これは施設維持のためだけでなく、「ペットを手放すことは決して簡単ではない」と飼い主に認識してもらうためでもあります。
「アレルギーだから仕方ない」 「誰かが引き取ってくれるだろう」
そんな安易な考えで手放された動物たちは、新たな環境に適応できるか分からず、不安な時間を過ごすことになるのです。
ペットを迎える前に、アレルギー検査を受けるべきでは?
アレルギーが心配なら、ペットを迎える前に検査を受けるのが当たり前ではないでしょうか?
アレルギー体質の家族がいるにもかかわらず、「飼ってみないと分からない」と軽い気持ちで迎え、後から「やっぱり無理でした」と手放す……これは、明らかに命に対する責任感が欠如していると言わざるを得ません。
「家族」として迎えたのなら、最後まで責任を持てるか?
ペットを迎えるとき、多くの人が「家族として迎えます」と言います。しかし、本当に「家族」だと思っているなら、簡単に手放せるでしょうか?
もし自分の子どもがアレルギーを持って生まれたら、「育てられない」と手放すでしょうか?
ペットも同じです。家族である以上、アレルギーが発覚しても、一緒に暮らす方法を模索するのが本来の姿ではないでしょうか?
「どうしても飼えない」場合の責任
それでもどうしても飼えない場合、飼い主には最後まで責任を持つ義務があります。
✔ 新しい飼い主を探す努力をしたのか?
✔ 知人や信頼できる団体に相談したのか?
✔ ペットを終生飼育してくれる施設を見つけたのか?
「施設が何とかしてくれるだろう」という安易な考えでは、動物たちは救われません。
「飼う責任」と「手放す責任」
ペットを飼うことは、一時の気まぐれや癒しを求めるためのものではありません。「命を預かる」という責任を持つことなのです。
「アレルギーがあるから無理」 「引っ越しで飼えない」 「子どもが生まれるから手放したい」
こうした理由で捨てられる動物たちが、今日も行き場を失っています。
ペットを迎える前に、もう一度考えてください。
本当に最後まで世話をできるのか? 「家族」として迎える覚悟があるのか?
ペットは、あなたを選んで家に来たわけではありません。あなたが選んで迎えたのです。
だからこそ、その命に対する責任を、最後まで果たす覚悟を持つべきではないでしょうか?
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